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花札二次創作問題を考えてみる

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どうも、現代オタク評論家のオタクマガジンです。


数日前、某Twitterユーザー(以下同人作家)が「公式に花札を真似された」的な事を言って軽い炎上事件に発展しました。二次創作→多数に公開が手軽になった2017年現在、二次創作やパクリ論についてアレコレと意見を目にする機会も増えてきました。今日はこの事件から俺なりに”今後の二次創作のあり方”みたいなのを語っていこうと思います。


事件を簡単に解説
同人作家が某ゲームのキャラをモチーフにした花札の絵柄を作成

間があいて公式から某ゲームの花札の発売が決まる

同人作家「私は一切タッチしてないし声掛けもされてない。」
同人作家「そっくり真似されててそれが一番残念です」

炎上


俺的感想

「一体何様のつもりだ!?」
公式絵を使って勝手に二次創作をしておいて、絵柄が似てるからといって「真似された」と言えるその厚顔無恥さに驚くばかりだ。多分、この同人作家は二次創作ってのは一次創作に勝るとも劣らない素晴らしいクリエイトだと思い込み過ぎていたに違いない。



おかしい点① 二次創作者という立場

同人作家が某ゲーム絵の権利者であれば話は別だけど、見ていた感じそうではなさそうだ。つまり、最初に生み出された花札は二次創作物であり、かなり悪い言い方をすると権利侵害以外の何物でも無いということは皆さんも知っている通りである。最近では特に二次創作が黙認・容認されている側面から感覚が麻痺しているキッズも多いだろうが、そもそも公式キャラを用いたグッズを作成するということは本来あまり良くない事なのだ。(海賊版との見分けがつかない)


そんな中、さっきも書いたように一次創作者の寛大な心によって黙認されている二次創作文化において、目立たないという事は大事なわけで、そのために即売会やネット通販などの限られた販路で流通させることによって運良くお目こぼしを貰っているわけだ。ギリギリのライン、つまりはグレーゾーンでせめぎ合っている危険なジャンルにおいて、おおっぴらに販売することや、二次創作の可否について問い合わせる事は勿論「お前パクっただろ!」と二次創作者が口にするのはNGなのだ。


つーか、本当にパクられてたとしても、「俺のアイデア使われてるじゃん!」とポジティヴに考える事はできなかったのだろうか。




おかしい点② お声かけされるわけがない

公式でグッズを作成する時や、グッズに限らずこの世に何かを生み出そうとした時には必ず”これまでに同じ物があったかどうか”を調べる事があると思う。名称だったり特許だったり、調べるだけでも時間とお金がかかるわけだ。そんな中、自コンテンツを勝手に使った野郎に「こんど花札出しますけど、あなた既に花札作ってたりしませんよね?作ってもいいですかね?」なんてイチイチ確認なんてするわけが無い。単に先に作られたというだけで、無許可で生み出された二次創作物という事実に変わりはないわけで、それがどんなものだろうと公式側が許可を取る必要性は全くないし、お声かけされるなんて全くお笑いだ。


他人の家にウンコしておいて、居住者が掃除しようとしたら「脱糞者の許可なく掃除するなんて許せない!」と騒ぎ立てるのと同じくらいわけわからん話だ。



おかし(くな)い点③ わたくし一切タッチしておりません

その通りすぎるし単なる事実でしか無い。
痴漢冤罪を疑われたら使いたいワードですね。



おかしい点④ 全然パクリじゃない

花札の絵柄って、大体決まっているらしい。なので、誰が作っても同じような似たような絵柄になります。要するに、パクリでもなんでもありません。


そもそも公式キャラを勝手に使ってる方がパクリなんだよなぁ…




これからの二次創作

二次創作についてどういう思いやこだわりがあるかは千差万別だと思うけど、基本的にグレー又は黒という事をもっと消費者が理解した方がいいと思う。実際に裁判沙汰になった例もあるし、音楽の分野においてもサンプリングが違法かどうかで争った例もあるくらいだし、他人の創作物に乗っかって色々やるのは様々なリスクが伴っているということを理解すべきだ。何度も書くけど、そのへんのオタクショップに行ったら手軽に同人誌が手に入るのも一次創作者の広い心のおかげだって事を一回考えるべきだと思う。


「二次創作のおかげで原作が売れるから貢献出来ている」なんて意見もあるけど、これは昔から意味不明だと思っている「ゲーム実況のおかげでゲームの売上が上がっている」理論と同じ違和感があって、確かに事実はそう”かもしれない”けど、それを消費者側が言う権利は全く無いと思う。とある製作者が「いやぁ、実はゲーム実況のおかげで儲かってます」って言うなら分からんでもないけど、”かもしれない”ことをさも正論のように振りかざしてグレーコンテンツを正当化してはいけない。(最近はかなりオープンになってきたけどね!)



だからといって二次創作全般がダメなのかというとそうではなくて、要するに何が言いたいかというと、闇市のような狭い世界で好き物同士がこぞって集まって売買するくらいのある程度のクローズドコミュニティであれば目立たないしいいんじゃないの?という事です。勿論、権利者に削除を申し入れられたり訴えられたりしたら素直に従わなきゃいけないわけですけど…なので、目立つ事は勿論公式に対して「パクリだ!」と言う事は二次創作文化をぶっ潰す要因になりえるし、公式的には「二次創作OKです!」とは言えないので禁止せざるを得ないわけです。それって、”二次創作のおかげで儲かってる”というのが真実であればお互いに損じゃないですか?





最後に…

二次創作のガイドラインを設けている一部の一次コンテンツもあるけど、じゃあそれを全部のコンテンツが同じように出来るかっていうとそうじゃないし、これはダメでコレはいいと明確なルールを作るのはムチャクチャに面倒くさいことだし、最終的にはそれぞれ節度を持ってやりましょうねというある程度ユーザーに委ねられる形になるんじゃないかと思う。俺的には永遠にグレーであり続けた方がいいと思うのだけど、ネットユーザーは勿論作家間でも意見の違いはあるだろうからなんとも言えないのが正直なところだ。今回の事件においても割りと賛否が分かれている現状万人が満足行く答えを出すのは無理なんじゃなかろうか。


そして悲しい事は、この同人作家が今後このコンテンツを嫌いになってしまう可能性があるということだ。好きで始まったはいいものの、今回の一件で「あんなもの作らなきゃ良かった」と思ってしまったら、この人は今後100%の気持ちで楽しめないだろう。



というわけで、今回はこのへんで終わろうと思う。
二次創作とはなんなのか?を一度皆も考え直して見て欲しい。

オタクマガジンでした。


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